HOME 藁菱劇場もくじへ 物語総合目次へ 次ページへ 【ミ○コの謎】
− 迷探偵物語 − 注意 :
この物語には、あぶり出しの部分があります。 |
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ミコ | 私、自分の名前、嫌いなんですよ。 もちろん、み○こっていって、ありふれた名前なんですが、漢字で書くとどうにも変で、いやなんです。 欲張りなお親が、こういう子になってほしいとか、いろいろ考えて付けてくれたおかげで、普通名前には使わない漢字が使ってあるんですよ。 以前、中日新聞社主催のゴルフコンペで、運良く入賞したことがあり、スポーツ誌に載ったらしいんですが、次の日の朝、早速職場の人にばれちゃいました。 「 こんな字のみ○こなんて、あんたしかいないよ 」 だって。 |
わら | それは、失礼ながら、その人が無学なだけでは? |
ミコ | 私の名前の漢字、全然難しい字じゃないんです。 特に下の名前は、たぶん小学校1年生で全部習います。さあ、何でしょう!! |
わら | なんだそうなのか。
「ミ○コ」なんて書かれてたんで、真ん中の字がとんでもないのかと。 よお〜し、思いっきり変なの考えてやるぞ。「水戸子」とか。(^^) まさか「三二五」で「みつこ」じゃないわな。 |
ミコ | ウフフ、全部違います。子は普通です。 真中の字もよく名前で使われるから、そんなに変じゃないといえば変じゃないですよね。 最初の字は、名前では見たことがないです。 |
というわけで、ミコさんが提示した名前の条件はこうなったわけです。 |
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1.小学校低学年で習うような簡単な字。 2.最初の文字は名前では見たことがない。 3.「こんな字の子、あんたしかいない」と言われるほど珍しい。 |
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わら | 語呂自体は ミトコ みたいな変わったものじゃないんですね? |
ミコ | はっきり言って、ありふれた名前です。 |
ここからミコさんの名前当てゲームが始まりました。 この頃のメールは迷探偵モノ風に仕立て上げてありました。 この物語風にしたものが【ミ○コの謎】でして、次作【盗まれたミコ】の習作ともいうべきもので、こんな具合です・・・ |
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私の恐ろしい勘が閃きましたぞ。 なにが恐ろしいといって、当たらないとき以外は必ず当たってしまうのだ。 (ここはメイ探偵の謎解きらしく、勿体をつけなくっちゃ) 「ミ○コさん、あなたの名前の語呂はミチコですね?」 |
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さて、実はこのあてずっぽうに言った「ミチコ」が見事に当たっていたようなんです。 そこで今度は名前に使われている漢字が問題になってきました。 |
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次に彼が取り組むことにしたのは、「ミチコ」に当てはまる漢字捜しである。 「ミチコ」というのはもう決まりっ! と、彼はここには疑問を抱かなかった。 この点については筆者も同様であったかもしれない。 "筆者" ( = わらびし) と "メイ探偵" を混同しないでね。 なにしろ「ミ○コ」に該当するのは、「ミチコ」のほかに「ミカコ」「ミヨコ」「ミツコ」、はたまた「ミナコ」に「ミホコ」・・・常識的にありそうな範囲だけで50音でいっても16通りもあるのだ。 全てを当たっていたのでは、とても対応しきれるものではない。 (筆者謹註:これは筆者の人生経験に基づく数値でありまして、決して女性経験に基づくものではありませぬ) また、探偵が尊敬してやまない筆者に、きのう電話で問い合わせたところ、彼の意見では「ミ○コ」は漢字でも三文字に違いないという。 これは探偵のこれまでの血のにじむような調査でも明らかだった。 結局、筆者は探偵の役には立っていないのだが、そういうことに気付く二人ではなかった。 |
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「ミ○コの謎」は、いよいよ核心に迫ってきました。 えーと、メイ探偵が「ミチコ」に決め打ちして、今度は漢字を当てはめようと試みたところまででしたね。 物語を再開する前に・・ ミコさんから「小学校低学年で・・」というヒントがある前までは、二文字目がやたら難しいのかと思ってたんです。 で、考えていたのは「美慧子」なんです。「ミ」は "美" しかないっしょ、なんてね。 さて物語を再開しましょう。 |
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探偵は「ミ」は "美"
しか有り得ないと思っていた。ところが「ミ」は
"美" ではないらしい。ありふれた漢字ではないというのである。 ここで探偵は深い思考に落ちていった・・・。 ふと気がつくと、探偵は机に突っ伏して眠り込んでいた。机にはよだれのあとが・・・。 彼の場合、深い思考とは眠りに等しいということを、当人以外の誰もが承知していることなのであった。 むむ・・これはいかん。 探偵は再び考え始めた。 「ミ○コ」が「ミチコ」であるなら、そして「コ」が「子」であるなら「チ」の候補は僅かである。すなわち、知・智・千。 ほかにも 血とか地とかもあるが、これは使わないだろう。あと僅かに可能性があるとしたら、痴と稚である。 ミコさんは美しいというから、頭の方は痴とか稚であるかもしれない・・と探偵は考えた。 (決して筆者が考えたのではありませぬ) しかし敢えてこんな字を使うことも考えにくい。それに、天が二物を与えるということもよくあることなのだ。 そうすると「チ」の字は知・智・千のどれかに決めてよいだろう。しかも小学校低学年で習うとなれば、智は除外してよい。 「知」か「千」か。探偵はここで決断を迫られた。 悩んだ探偵がひょいと顔を上げると、そこに100円玉があった。 (よおし、表なら「知」、裏なら「千」だ・・・) 探偵は100円玉を大きく放り上げて右手で受け止め、そのまま左手の甲に叩き付けた。 「イテッ!」 それからそうっと右手を放してみると・・・大きく 100 の字が見えた。 「おっ。100だ!」 しかしここでまた探偵は途方に暮れて自問自答した。 「これって表だっけ、それとも裏だっけ?」 実際100円玉の裏表については諸説がある。公式には「日本国」と書かれた側が表である筈だ。(筆者の見解) だが探偵はそうは思わなかった。 「ま、でっかく 100って書いてある側が表に決まってるな」 こうして「ミチコ」の「チ」の字は「知」に決められたのであった。 (「ミ○コの謎」・・つづく) |